お稽古してくださっている三味線の先生が
地方さんとしてご出演されているご縁もあり、
松竹座「壽 初春歌舞伎特別公演」を拝見してきました。
今回は夜の部。
演目は
女鳴神
仮名手本忠臣蔵
京鹿子娘道成寺
私は毎回、イヤホンガイドをお借りしています。
物語の流れだけでなく、所作一つひとつの意味、
台詞の背景にある心情まで丁寧に解説してくださるので、
舞台がぐっと立体的に迫ってくるのです。
女鳴神も、仮名手本忠臣蔵絶妙な緊張と緩和。
コミカルな部分と、胸に迫る口説き(クドキ)など実に素晴らしく、
緊張感のあるシーンでは自然と背筋も伸びましたが、
やはり圧倒されたのは 京鹿子娘道成寺 でした。
映画「国宝」では、
白拍子花子が美しいまま鐘の上で見栄を切るラストが印象的でした
しかし今回は、
愛と執念が絡み合い、
やがて怨霊へと姿を変えていくまでを描き切る構成。
美から狂気へ、静から動へ。
舞台全体がうねるように展開し、
正直、途中から理屈ではなく、身体で観ていました。
「国宝」にご出演された中村鴈治郎さん、
そして女形所作指導を務められた壱太郎さん。
今回は
壱太郎さんが 白拍子花子
鴈治郎さんが 破邪の左馬五郎
という、親子での共演。
壱太郎さんの白拍子花子は、
水が流れるように途切れることのない舞。
その美しさに魅了され、思わず自分も踊っている感覚になり、息を合わせてしまいます。
そして、その舞を真正面から受け止める鴈治郎さん。
父として、役者として、
どのようなお気持ちでこの舞台に立たれているのか・・・
想像した瞬間、胸が熱くなり、涙がこぼれました。
終演後、ロビーで歌舞伎ファンの交流サイトを知り、
さっそく登録。
学べば学ぶほど、
「まだ何も知らないんやなぁ」と気づかされるのが、
歌舞伎の世界の面白さやと思います。
初春にふさわしい、
心に長く余韻を残す一夜でした。
